自力での矯正について

歯並びが悪くなる原因

遺伝

歯並びが悪くなる原因顔の形が遺伝するように歯並びも遺伝するため、両親のどちらかの歯並びに似る可能性があります。歯並びだけでなく、顎や歯の大きさ、上顎と下顎のどちらが出ているか(いわゆる出っ歯、受け口)なども遺伝することがあります。
遺伝が原因である場合は、歯の大きさに対して顎が小さいなどバランスがとれないために歯並びが悪くなる、上顎や下顎の前突などがみられます。

歯周病

歯周病歯周病は歯を失う2大原因の1つであり、放置していると歯周病になった歯や歯を支える歯茎が蝕まれてしまいます。歯列はきちんと歯が揃ってぐらつきがないことで安定しているため、歯周病により歯が抜けた後のスペースに他の歯が寄ってくることで安定が悪くなり、歯並びが悪くなることがあります。

親知らず

親知らず親知らずが生えるためのスペースが顎の骨にない場合、歯列全体に前方へ向かう圧力がかかり、歯並びに影響を及ぼす場合があります。

悪い癖・姿勢

歯並びを悪くする癖や姿勢があることも知られています。

頬杖をつく

意識せずしている人も多いと思いますが、手で顎を支えることで、頭の重量である約5kgの負荷が顎の骨にかかります。1日で頬杖をつく回数が多い場合や長い時間している場合、歯が傾いて歯並びが悪くなる可能性があります。

指しゃぶりをする、前歯を舌で押す

指しゃぶりや舌で歯を押してしまうような癖がある場合、一方的な力が歯に継続してかかってしまい歯が少しずつ動いてしまうため、歯並びに悪影響を与えます。
前歯が前に出る「出っ歯」や上下の歯の間が開く「開咬」になる可能性があります。

歯ぎしりや歯を食いしばる

歯ぎしりや食いしばりも歯に必要以上の強い力がかかっているため、歯がすり減るだけでなく、歯並びが乱れる可能性があります。
この癖がある場合、口腔内に痛みがある、咬み合わせが悪いなどの症状が現れることがあります。

口呼吸

口を閉じている間、舌は収まるべき定位置(スポットポジション)にあり、軽く上顎に当たっています。この舌の軽い圧力が上顎の発達やアーチの形成を助けているのですが、口が開いていると舌が上顎に当たらないため、歯並びが悪くなる原因となってしまいます。

歯並びは押すと自力で治せる?

歯並びは押すと自力で治せる?歯並びは人と話す時、食べる時など、何かと目につきやすく目立つため、気になっている方は意外に多いものです。中には「歯並びの矯正はお金がかかるから、自力でやりたい」と考える方もいらっしゃいます。
しかし、歯は根元が硬い顎の骨に支えられているため、歯を手で押すなどの方法で矯正することはできません

自力で矯正をして歯並びを治そうとするリスク

無理に自力で歯並びを矯正しようとすると、歯がダメージを受けるなどのさまざまなリスクがあります。具体的にどのようなリスクがあるかご紹介いたします。

歯並びの悪化

歯並びの矯正とは、専門知識がある医師が検査をし、精密な治療方針を立てて行っています。
そもそも歯がきれいに並ぶためのスペースが顎になければ動かせないものです。知識のない人が力を入れる方向や加減を誤ると、歯が違う方向に傾いたり動いたりして、かえって歯並びが悪くなる可能性があります。

歯や歯茎へのダメージ

歯科医院での矯正治療では、歯や歯茎に無理な力をかけず、歯列を目標とする形にゆっくりと時間をかけて変えていきます。しかし専門の矯正用の器具を使わずに矯正しようとすると、歯や歯を支えている歯茎に過度な負担やダメージを与えてしまう可能性があります。

歯が抜けてしまう場合も…

歯や歯茎に過度な負担をかけ続けると、歯の根っこが短くなるリスクがあります。「歯根吸収」という現象で、歯がぐらつきやすくなり、ちょっとした衝撃で歯が抜ける可能性があります。永久歯が抜けたらその分歯列にスペースができて、かえって歯並びが悪くなってしまう場合があります。

市販のマウスピースで歯の矯正はできる?

市販のマウスピースで歯の矯正はできる?マウスピースは市販品があり、ドラッグストアや通信販売で購入できます。歯科医院で矯正治療を受けるのとは違って、好きな時に手軽に始められ、費用が安く済む点はメリットです。
しかし使用する人の歯に合わせたものではない既製品であり、歯科医や歯科衛生士によるチェックも受けられないため、歯列をきれいに整えられる保証はありません。

いびきや歯ぎしりの緩和には効果が期待できます

本来マウスピースとは、スポーツなどの際に歯を衝撃から守るためのものです。歯科医院で受けるような矯正治療の効果はありませんが、特定の目的のもとに販売されているものがあります。主に2つあり、1つが歯ぎしりや食いしばり、歯牙接触癖(TCH)の緩和です。マウスピースを装着することで上下の歯列の接触を防ぎ、過度に歯に負担がかかる癖を改善します。
もう1つがいびきの緩和です。いびきの原因の1つとして、就寝時に舌が喉の奥を塞ぐため空気の通りが悪くなる「舌根沈下」という症状が挙げられます。舌の位置を固定するものや、口呼吸を防ぐよう下顎を誘導するマウスピースで舌根沈下を防ぎ、いびきを改善します。

当院で行う矯正治療

乱れた歯並びを整える矯正治療は2種類あり、それぞれにメリット・デメリットがあります。矯正治療を検討されている場合は以下を参考にしてご相談ください。

表面矯正(唇側矯正)

表面矯正歯の表面にブラケットを装着する、矯正治療では最も認知度の高い方法です。
適応範囲が広く、ほとんどの症例に対応ができるというメリットがあります。
デメリットとして目立ちやすい点と、装置を付けているため虫歯や歯周病のリスクがあり、歯磨きなどで念入りなケアが必要な点があります。

裏側矯正(舌側矯正)

裏側矯正(舌側矯正)歯の裏側にブラケットをつけ、ワイヤーを通して矯正します。
メリットは、歯の裏側に装着するため目立たない点で、営業職や接客業の方がこの方法を選ばれることが多いようです。また、歯の裏側のため常に唾液にさらされ、虫歯や歯周病のリスクが低いという点も挙げられます。
デメリットは歯の裏側に装置があることで舌が当たり、ブラケットが気になるという方もいらっしゃいます。

マウスピース型矯正

マウスピース矯正患者様の歯型から今の歯並びと目指す歯並びに向けたマウスピースを複数作り、1~2週間ごとに付け替えて少しずつ歯を動かしていく矯正方法です。
メリットはマウスピースが透明なため目立たない点、ブラケットやワイヤーがないため違和感が少ない点、食事の時など自分で取り外せ、歯磨きもしやすい点です。
デメリットとしてはワイヤー矯正に比べて取り外しが可能なため、自己管理できちんと装着を続けなければ矯正期間が長引く可能性がある点です。

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