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目次
「歯がないままで思いっきり笑えない」
「もうすぐ成人式なのにどうしよう」
見た目のコンプレックスは、本当につらいですよね。
すぐにでも治したいけれど、「学生でお金がない」「母子家庭で高額な治療は無理」と、経済的な理由で悩んでいませんか?
医療費控除やデンタルローンを利用した場合、費用を抑えながら歯の機能と見た目を取り戻せます。この記事では、治療費の負担を軽くする公的制度や費用を抑えるための支払方法を解説します。
治療費をできるだけ安く抑えるためのポイントや、歯がない・お金がない状況で治療を受ける際の注意点もご紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。
歯がない・お金がない人が治療を受けるための方法
歯がない・お金がない人が治療を受けるための方法は、以下の4つです。
- 保険診療で治療を受ける
 - クレジットカードの分割払いを利用する
 - デンタルローンを組む
 - 医療費控除で税金の還付を受ける
 
1つずつ解説します。
保険診療で治療を受ける
歯の費用をできるだけ抑えたい方は、保険が適用される治療を選びましょう。保険診療は、健康保険証がある場合、かかった治療費の1割〜3割を支払うだけで済む社会保障制度です。
高額な自由診療と異なり、費用を抑えて歯の基本的な機能を回復させる治療を受けられます。まとまったお金がなくても、数千円〜数万円程度の負担で済む場合が多いのが、保険適用のメリットです。
歯の費用をできるだけ抑えたい方は、保険適用になる治療法を選択肢にしましょう。
クレジットカードの分割払いを利用する
安定した収入がある方で貯金がない方は、クレジットカードの分割払いがおすすめです。クレジットカードの分割払いは、まとまった現金がなくても、月々の支払いで高額な治療費に対応できる方法です。
歯科医院がカード払いに対応している場合、お手持ちのカードですぐにご利用いただけます。ただし、分割手数料や利息が発生するため、最終的に支払う総額は現金一括払いよりも高くなる点に注意しましょう。
安定した収入がある方で貯金がない方は、分割手数料や利息を考慮したうえでクレジットカードの分割払いをご検討ください。
デンタルローンを組む
月々の返済を抑えたい方は、デンタルローンを活用するのもおすすめです。デンタルローンは、歯科治療の費用を金融機関が立て替え、患者さんが分割で返済していく仕組みです。デンタルローンはクレジットカードよりも金利が低い場合が多く、インプラントといった高額な自由診療でとくに利用されます。
デンタルローンの利用には審査がありますが、まとまったお金を用意できない時の有効な選択肢です。
医療費控除で税金の還付を受ける
1年間に発生した医療費が高額な場合は、医療費控除を申請できる場合があります。医療費控除とは、年間の医療費がたくさんかかった場合に、税金の一部が戻ってくる制度です。
1年間(1月1日〜12月31日)に支払った医療費が100,000円を超え、翌年に確定申告をおこなうと納めた税金が還付されます。直接治療費が安くなるわけではありませんが、医療費控除は最終的な家計の負担を軽くするのに役立つ制度です。
参考元:No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)|国税庁
関連記事:ほとんど歯がない場合の治療費|治療費を抑える方法も紹介
歯がない場合の治療法と費用相場
歯がない場合の治療法は、以下の3つです。
- 【保険適用】入れ歯
 - 【保険適用】ブリッジ
 - 【自由診療】インプラント
 
各治療法の費用相場も踏まえて1つずつ解説します。
【保険適用】入れ歯
入れ歯は、保険適用の場合5,000〜20,000円程度の費用で作れる、比較的費用が安い治療法です。入れ歯は取り外し式の人工歯で、残っている歯に金具をかけたり、歯茎の上に乗せたりして使用します。
多くの歯を失った場合にも対応できるのが入れ歯のメリットですが、慣れるまでの違和感や、硬いものが食べにくいなどのデメリットもあります。
【保険適用】ブリッジ
ブリッジは保険適用の場合、1本あたり10,000円〜30,000円程度の費用で済む固定式の治療法です。失った歯の両隣にある健康な歯を土台として削り、橋をかけるように連結した人工の歯を被せます。
ブリッジは取り外しの必要がなく、自分の歯に近い感覚で噛めるのが魅力です。ただし、健康な歯を削らなければならないといったデメリットもあります。
関連記事:インプラント以外でも大丈夫!歯がない時に選べる治療法とは?
【自由診療】インプラント
インプラントは、保険適用外で1本300,000円〜500,000万円程度かかりますが、自然な見た目と噛み心地を得られる治療法です。インプラントは顎の骨に人工の歯根を埋め込み、その上に人工の歯を装着する仕組みになっています。
ブリッジのように健康な歯を削る必要がなく、入れ歯のような違和感もありません。ただし、治療費が高額で治療期間が長く、外科手術が必要になります。
関連記事:歯がなくてもインプラントはできる?インプラント以外の選択肢も紹介
歯の治療費をできるだけ安く抑えるためのポイント
歯の治療費をできるだけ安く抑えるためのポイントは、以下の2つです。
- まずは保険適用の治療ができないか相談する
 - 今後の出費を抑えるために定期検診に通う
 
1つずつご紹介します。
まずは保険適用の治療ができないか相談する
治療費を抑えるための最初のステップは、健康保険が使える治療法がないか、歯科医師にしっかりと相談することです。日本の公的な健康保険制度を使うと、治療費の自己負担は原則3割で済みます。
歯科医師に自由診療を勧められた場合でも、「保険でできる治療法も教えてください」と質問するのが重要です。予算はもちろん、各治療法のメリットとデメリットを聞いたうえで自分に合った治療法を選択しましょう。
今後の出費を抑えるために定期検診に通う
将来的に治療費を節約する方法は、痛みや問題がなくても定期検診に通い、虫歯や歯周病を予防することです。虫歯も歯周病も、初期段階で発見できた場合、簡単な治療で済み、費用も数千円で済む場合がほとんどです。
しかし、違和感や口腔内トラブルを放置して悪化させてしまうと、治療が複雑になり、費用は何十倍にも膨れ上がります。定期検診はご自身の健康維持にはもちろん、将来的な出費を減らすうえでも大切な習慣です。
歯がない・お金がない状況で歯の治療を受ける際の注意点
歯がない・お金がない状況で歯の治療を受ける際の注意点は、以下の4つです。
- 治療費の安さだけで歯科医院を選ばない
 - ローンや分割払いは無理のない範囲で計画的に利用する
 - 治療内容と費用について事前に十分な説明を受ける
 - 治療の中断はさらなるリスクにつながるため避ける
 
それぞれ見ていきましょう。
治療費の安さだけで歯科医院を選ばない
お金がないからといって、治療費の安さだけを理由に歯科医院を選ばないのが、質の低い治療を避けるための重要な注意点です。極端に安い費用を提示している場合、質の悪い材料を使っていたり、保証内容が充実していなかったりする場合があります。
費用だけでなく、医師が親身に相談に乗ってくれるかや、安心できる技術を持っているか、衛生管理は徹底されているかといった点も事前に確かめましょう。
ローンや分割払いは無理のない範囲で計画的に利用する
デンタルローンや分割払いを利用する際は、無理のない返済計画を立てるのが、生活を圧迫しないための注意点です。デンタルローンや分割払いは一時的な支払いの負担を軽くしてくれる便利な方法です。
しかし、利息を含めた返済総額がいくらになるのか、毎月の支払額は収入に見合っているのかを冷静に計算し、計画的に活用するのが求められます。
治療内容と費用について事前に十分な説明を受ける
治療を始める前に、どのような治療をおこない、総額でいくらかかるのか十分な説明を受けるのが、トラブルを防ぐための注意点です。信頼できる歯科医院の場合、治療計画や費用の内訳を、患者さんが納得するまで丁寧に説明してくれます。
疑問や不安な点がある場合は遠慮なく質問し、信頼して任せたいと思ったうえで治療に進むのが大切です。
治療の中断はさらなるリスクにつながるため避ける
1度治療を始めたら、自己判断で中断しないのが、症状の悪化や追加費用を防ぐための注意点です。たとえば痛みがなくなったからといって通院をやめると、歯の内部で細菌が繁殖し、もっと大掛かりな治療が必要になる場合があります。
結果的に治療期間が延び、費用も余計にかかってしまいます。どうしても通院が困難な場合は、必ず歯科医師へご相談ください。
歯がない状態を放置すると生じるリスク
歯がない状態を放置すると生じるリスクは、以下の4つです。
- 虫歯・歯周病が進行しさらに多くの歯を失う
 - 口臭や見た目の問題で対人関係に影響が出る
 - 治療がより複雑になり最終的な費用が高くなる
 - 全身の健康にも悪影響が出る場合がある
 
1つずつ解説します。
虫歯・歯周病が進行しさらに多くの歯を失う
歯がない状態を放置すると、残っている健康な歯まで虫歯や歯周病になり、さらに多くの歯を失うリスクが高まります。歯が抜けた空間に周りの歯が倒れ込むと、歯並び全体が崩れてしまうのが原因です。
歯がない状態を放置して、歯並びが乱れると、歯ブラシが届きにくい場所が増え、新たな虫歯や歯周病が発生しやすいです。また、残った歯を支えにして食事をおこなうと過剰な負担がかかり、歯の寿命を縮めてしまうリスクもあります。
歯がない状態を放置するのは、身体や残った歯に悪影響をおよぼすため、早めに治療をおこないましょう。
関連記事:虫歯で歯がない状態を放置するリスクとは?治療法や治療費を紹介
口臭や見た目の問題で対人関係に影響が出る
歯がない状態は、強い口臭や見た目の変化を引き起こし、人とのコミュニケーションに自信が持てなくなる場合があります。抜けた歯の周りには汚れが溜まりやすく、細菌が繁殖して口臭の原因になります。
また、前歯がないと見た目の印象が変わるうえ、奥歯がない状態でも頬がこけて年齢より老けて見られる場合も。
自然に笑えなくなったり、食事を楽しめなくなったりするのは、歯がないことでもたらされるリスクの1つです。
治療がより複雑になり最終的な費用が高くなる
歯がない状態を放置すればするほど治療が大掛かりになり、結果的に治療期間が延びて最終的な費用も高額になる場合があります。たとえば、隣の歯が倒れ込んでいると、それをもとの位置に戻すための部分的な矯正治療が必要です。
歯が抜けた部分の顎の骨は時間とともに痩せていくため、いざ治療しようとしたときには骨を増やす特別な手術が求められるのも珍しくありません。早期に治療していれば簡単な治療で済んだはずが、歯がない状態を放置した結果、余計な手順と出費を招くリスクがあります。
全身の健康にも悪影響が出る場合がある
歯がない状態は口腔内だけの問題にとどまらず、全身の病気のリスクを高め、身体のバランスに悪影響をおよぼす場合があります。口腔内で増殖した歯周病菌が血管を通じて全身に巡ると、糖尿病や心臓病などを引き起こす原因になりかねません。
また、歯がない状態では、しっかり噛めないため消化不良を起こし、胃腸に負担をかける場合もあります。ほかにも噛み合わせのズレが頭痛や肩こりにつながるなど、身体全体の不調を招くリスクがあります。
まとめ
歯がなくお金がない方でも、保険適用の治療や公的制度を上手に活用すると、費用を抑えながら歯の機能と見た目を取り戻せます。まずは保険適用の入れ歯やブリッジなどを検討し、医療費控除やデンタルローンといった制度の活用も視野に入れるのが大切です。
歯がない状態を放置するのは、将来の全身の健康リスクを高めます。見た目に自信を持って会話するためにも、諦めずにまずは歯科医院へ相談し、ご自身の状況に合った無理のない治療計画を立てることから始めてみましょう。
当院では、デンタルローンで毎月の負担を軽減して施術を受けられます。歯がなくお金がない方で治療を受けるかお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

監修者
おくだ歯科 院長
奥田 幸祐(オクダ コウスケ)
プロフィール
歯科医師として歩みを始めたときから、インプラント治療における様々な症例に対応し、他院で治療ができなかった難症例も数多く治療してきました。自身が日々研鑽を積むだけでなく、多くのドクターにインプラント治療の指導も行っています。この豊富な経験と実績で、皆様に寄り添い難症例にも対応してまいりますので、お悩みの方は是非一度当院にご相談ください。
経歴&職歴
- 平成17年:朝日大学 歯学部 首席で卒業
 - 平成17年〜24年:付属病院、開業医勤務
 - 平成25年:おくだ歯科・矯正歯科 可児市広見にて開業
 - 平成27年:医療法人化 医療法人ALESおくだ歯科・矯正歯科
 - 平成27年:厚生労働省認定 歯科医師 臨床研修指導医 取得
 - 令和元年:ITI公認 インプラントスペシャリスト
 - 令和5年:日本顎咬合学会 嚙み合わせ認定医 取得
 - 令和5年:特定非営利活動法人 放射線学会 CBCT認定医 取得