保険診療と自費診療の違い

DIFFERENCE

根管治療には、大きく分けて「保険診療」と「自費診療」の2つの選択肢があります。どちらも「歯を残すための治療」であることに変わりはありませんが、使用できる器具や材料、診療にかけられる時間などに違いがあります。

このページでは、それぞれの特徴をわかりやすく解説し、患者様ご自身が治療を選択する際の参考になるようにまとめています。

説明する院長

保険診療で行う根管治療

About Insurance Medical Treatment

保険診療での根管治療は、国が定めた診療報酬制度の範囲内で行われる治療です。基本的な根管治療は可能ですが、使用できる材料や機器、治療時間に制限があります。

保険診療の特徴

  • 治療費の自己負担が3割(一般的な場合)
  • 全国どこでも同一の治療費
  • 基本的な治療器具・材料の使用
  • 限られた治療時間での対応
  • レントゲン検査による診断

保険診療での根管治療の流れ

保険診療では、従来からの治療方法により根管治療を行います。手用の器具を中心として根管の清掃を行い、一般的な薬剤で消毒処理を実施します。治療回数は症状により異なりますが、比較的短期間での治療完了を目指します。

従来の治療のイメージ

保険診療での限界

  • 精密な診断機器(CT、顕微鏡)の使用に制限
  • 高品質な材料の使用が困難
  • 十分な治療時間の確保が困難
  • 複雑なケースへの対応に限界
  • 予後の予測が困難な場合がある

自費診療による精密根管治療

About Private Medical Treatment

自費診療では、保険制度の制約を受けることなく、最新の医療技術と高品質な材料を使用して治療を行います。患者様一人ひとりの状態に応じたオーダーメイドの治療が可能です。

自費診療の特徴

  • 最新の医療機器・材料の使用が可能
  • 十分な治療時間の確保
  • 精密な診断と治療計画
  • 長期安定性を重視した治療
  • 治療費は全額自己負担

自費診療で使用する最新機器・材料

診断機器Diagnostic Equipment

CT
CT三次元画像診断装置

歯の根の形や病気の範囲を
立体的に把握

マイクロスコープ
顕微鏡マイクロスコープ

20倍の拡大視野での精密治療

デジタルレントゲン
デジタルレントゲン

被曝量を抑えた高精細画像

治療器具Treatment Equipment

ニッケルチタンファイル
ニッケルチタンファイル柔軟な特殊器具

根管を傷つけることなく効率的に拡大。曲がった根管にも対応。

超音波洗浄装置
超音波洗浄装置

根管内の徹底的な清掃

ラバーダム
ラバーダム

治療中の細菌の侵入を最大限防ぐ

材料Treatment Materials

MTA
特殊セメント(MTA)

体に優しく封鎖性の高い材料

ジルコニアクラン
ジルコニアクラン

適合性に優れた被せ物

保険診療自費診療の違い

About Private Medical Treatment

成功率の違い

自費診療の成功率は90%〜95%
自費診療の成功率
90%95%
保険診療の成功率は約50%前後
保険診療の成功率
50%前後

出典:日本歯内療法学会編『歯内療法 第5版』医歯薬出版(2019)

保険診療と自費診療の違い

自費診療 保険診療
治療回数 1-4回程度 3-5回程度
1回の治療時間 60-90分 20-30分
画像診断 CT撮影 場合によりCT撮影
使用機材 ニッケルチタンファイル
隅々まで器具が届く、新品を使用
ステンレスファイル
曲がっている根管の隅まで届きにくい
ラバーダム 毎回必ず使用 場合によって使用
マイクロスコープの使用 倍率最大20倍のマイクロスコープを使用 倍率最大10倍の拡大鏡を使用
最終的につめる薬剤 生体親和性が高く、封鎖性の高いMTAセメント(保険適用外) 保険適応のゴム素材の薬剤
備考
  • 再治療のリスクが大幅に軽減
  • 長期間の歯の保存が期待できる
  • 再治療になる確率が精密根管治療に比べて高い
  • 長期予後に不安が残る場合がある
Point

費用対効果の考え方

自費診療は初期費用は高額ですが、治療成功率の高さと再治療リスクの低さを考慮すると、長期的には費用対効果に優れていると言えます。

どちらの治療を選ぶべきか

Points To Consider

自費診療
おすすめする方
  • 確実性の高い治療をご希望の方
  • 何度も根管治療を受けているが改善しない方
  • 抜歯を提案されたが歯を残したい方
  • 長期的な歯の保存を重視される方
  • 時間をかけた丁寧な治療を受けたい方
保険診療
おすすめする方
  • 初期費用を抑えたい方
  • 基本的な根管治療で改善が期待できる比較的単純なケース
  • 治療結果よりも費用を重視される方

治療選択のポイント

歯の状態による判断

重度の症状・複雑なケースは自費診療による精密治療が推奨されます。特に以下の場合は自費診療による精密治療を選ぶのをおすすめしています。

  • 根の先に大きな病変がある
  • 過去に根管治療を受けたが再発した
  • 根管の形が複雑
  • 抜歯を避けたい重要な歯
頬に手を当てる人

ライフスタイルによる判断

長期的な健康を重視する方や時間に余裕がある方であれば、じっくりと治療に取り組める自費診療を選ぶのをおすすめします。

食事シーン

当院の考え方

Our Thought

私たちは、患者様の価値観やご希望を最優先に考えています。保険診療・自費診療のどちらにもメリット・デメリットがあり、「どちらが正解」ということはありません。

重要なのは、それぞれの特徴を十分にご理解いただいた上で、ご自身にとって最適な選択をしていただくことです。

治療前の十分な説明

  • 現在の歯の状態の詳細な説明
  • 治療期間と費用の明確な提示
  • 各治療法のメリット・デメリット
  • 将来的なリスクと予後の説明
検査と説明のイメージ

患者様に
寄り添った
治療選択

治療方法の決定は患者様ご自身にお任せしています。どちらの治療を選ばれても、その範囲内で適切な治療を提供することをお約束いたします。

医師の集合写真

後悔しない
治療選択のために

根管治療における保険診療と自費診療には、それぞれ明確な違いがあります。
費用面では保険診療に、治療の精度や成功率では自費診療に優位性があります。
最も大切なのは、患者様ご自身の価値観やご希望に合った治療選択をすることです。
どちらが良いかお悩みの際は、お気軽にご相談ください。

十分な説明とともに、最適な治療選択のお手伝いをさせていただきます。
歯は一生のパートナーです。後悔のない治療選択をしていただけるよう、私たちが全力でサポートいたします。